出題の重要度 ★★☆
「守秘義務」をわかりやすく解説

守秘義務とは?
・守秘義務とは、宅建業者が、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならないという義務のこと(宅建業法45条)。
宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする。
宅建業を営まなくなった後も続く
・条文の後段が「宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする」と定めています。
・つまり、廃業しても、免許が失効しても、守秘義務は続きます。
・依頼者が安心して事情を打ち明けられるようにするための義務なので、業者側の都合で終わってしまっては意味がないからです。いつまで続くという期限もありません。
【補足】「免許の有効期間が過ぎたので義務もなくなる」という選択肢は誤りです。期限はありません。

正当な理由があるとき
・正当な理由があるときは、秘密を漏らしても違反になりません。
| 場面 | 正当な理由にあたるか |
| 裁判の証人として証言を求められた | あたる |
| 税務署の職員から質問検査を受けた | あたる |
| 取引の相手方に告げる義務がある事実だった | あたる |
| 本人の承諾がある | あたる |
| 同業者に参考として教えた | あたらない |
従業者の守秘義務
・宅建業者の従業者にも、同じ内容の守秘義務があります(法75条の3)。
・こちらも従業者でなくなった後も続きます。宅建士も従業者としてこの義務を負います。
・75条の3が対象にしているのは「その業務を補助したことについて知り得た秘密」で、45条と表現は違いますが、やめた後も続くという結論は同じです。
【補足】業者を辞めて別の会社に移った人も、前の会社で知った秘密を漏らしてはいけません。
違反したときは
・守秘義務に違反した者は、50万円以下の罰金に処せられます(83条1項3号)。
・ただし、この罪は告訴がなければ公訴を提起することができません(83条2項)。秘密を守られる本人の意向を尊重する趣旨です。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 守秘義務は、宅建業をやめると終わる。 |
| イ | 裁判で証人として証言する場合は、正当な理由にあたる。 |
| ウ | 守秘義務は、業者の従業者にもある。 |
| エ | 守秘義務に違反しても罰則はない。 |
| オ | 守秘義務違反は、告訴がなくても起訴できる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | ○ | ○ | × | × |
ア × 誤り
・・正しくはやめた後も守秘義務は続きます(宅建業法45条後段)。
・廃業したとたんに秘密を話してよいことにすると、依頼者は安心して事情を打ち明けられないからです。
・「廃業後」「免許失効後」「退職後」のどれでも結論は同じです。義務は続きます。
イ ○ 正しい
・・そのとおりです。裁判所で証言を求められた場合は正当な理由にあたります。
・法律上答える義務がある場面まで守秘義務を優先させると、裁判が成り立たなくなるためです。
・税務署の職員から質問検査を受けた場合も同じく正当な理由にあたります。
ウ ○ 正しい
・・そのとおりです。従業者にも同じ内容の守秘義務があります(法75条の3)。
・実際に依頼者の事情に触れるのは現場の従業者なので、業者だけを縛っても意味がないからです。
・こちらも従業者でなくなった後まで続きます。宅建士も同様です。
エ × 誤り
・・正しくは50万円以下の罰金に処せられます(法83条1項3号)。
・監督処分だけでなく、刑罰まで用意されている点にこの義務の重さが表れています。
・「監督処分だけ」「罰則はない」とする選択肢は誤りです。
オ × 誤り
・・正しくは告訴がなければ公訴を提起できません(法83条2項)。
・起訴すれば秘密の内容が裁判で明らかになってしまうため、本人の意向を確かめる必要があるからです。
・「告訴は不要」とする選択肢は誤りです。親告罪だと押さえておきましょう。
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