出題の重要度 ★★☆
「従業者証明書」をわかりやすく解説

従業者証明書とは?
・従業者証明書とは、その人が宅建業者の従業者であることを証明するために、宅建業者が発行して従業者に携帯させる書面のこと(宅建業法48条1項)。
宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない。
・様式は国土交通省令で定められています(施行規則17条・別記様式第八号)。
携帯させる義務
・業者は、従業者に証明書を携帯させなければ、その者を業務に従事させてはなりません。
| 項目 | 内容 |
| 発行する人 | 宅建業者(自分で作って渡す) |
| 持たせる相手 | 業務に従事する者すべて |
| 含まれる人 | 非常勤の役員、パート・アルバイト、一時的に事務を補助する者 |
| 持たせる期間 | その事務所の従業者である間 |
【補足】代表者や役員も従業者にあたります。「社長は従業者ではないから不要」という選択肢は誤りです。

請求があったら提示する
・従業者は、取引の関係者から請求があったときは、証明書を提示しなければなりません(48条2項)。
従業者は、取引の関係者の請求があつたときは、前項の証明書を提示しなければならない。
・請求がないのに、自分から示さなければならないわけではありません。
宅地建物取引士証では代えられない
・宅建士が重要事項の説明のときに宅地建物取引士証を提示しても、従業者証明書を提示したことにはなりません。別々の書面です。
| 項目 | 従業者証明書 | 宅地建物取引士証 |
| 交付する人 | 宅建業者 | 都道府県知事 |
| 持つ人 | すべての従業者 | 宅建士だけ |
| 見せる場面 | 請求があったとき | 重要事項の説明のとき |
携帯させなかったときは
・従業者に証明書を携帯させなかった業者は、50万円以下の罰金に処せられます(83条1項2号)。
・あわせて指示処分や業務停止処分の対象にもなります(65条2項2号)。
【補足】従業者名簿には、この証明書の番号を記載します。証明書は持ち歩くもの、名簿は事務所に置くもの、と役割で分けて覚えましょう。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 従業者証明書は、都道府県知事が交付する。 |
| イ | アルバイトにも証明書を携帯させる必要がある。 |
| ウ | 従業者は、請求がなくても証明書を提示しなければならない。 |
| エ | 宅建士証を見せれば、証明書の提示に代えられる。 |
| オ | 証明書を携帯させないと、業務に従事させてはならない。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | ○ | × | × | ○ |
ア × 誤り
・・正しくは宅建業者が発行して従業者に渡します(宅建業法48条1項)。知事が交付するのは宅地建物取引士証です。
・従業者であることを証明するのは雇っている業者の役目なので、業者が自分で作って持たせるしくみになっています。
・「知事が交付する」「大臣が交付する」という記述はすべて誤りです。士証と入れ替えるひっかけに注意しましょう。
イ ○ 正しい
・・そのとおりです。携帯させる相手は業務に従事する者すべてで、パートやアルバイトも含まれます。
・雇い方の違いで取引の相手方が受ける不安は変わらないため、正社員かどうかで区別していません。
・非常勤の役員や代表者本人も対象です。「正社員だけでよい」とする選択肢は誤りです。
ウ × 誤り
・・正しくは取引の関係者から請求があったときに提示します(48条2項)。
・重要事項の説明のように場面が決まっているものではなく、求められたら見せる、という決まりです。
・「常に提示しなければならない」「取引のたびに提示する」という記述は誤りです。
エ × 誤り
・・正しくは代えることはできません。従業者証明書と宅地建物取引士証は別々の書面です。
・士証は宅建士であることを示すもので、その業者の従業者であることまでは証明できないためです。
・「士証を提示したので証明書は不要」という選択肢は、繰り返し出される定番のひっかけです。
オ ○ 正しい
・・そのとおりです。条文が「携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない」と定めています。
・取引の相手方が、目の前の人がその業者の従業者かどうかを確かめられるようにするための決まりです。
・違反すると50万円以下の罰金に処せられ、業務停止処分の対象にもなります。
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