出題の重要度 ★★★
「取引態様の明示」をわかりやすく解説

取引態様の明示とは?
・取引態様の明示とは、宅建業者が広告をするときや注文を受けたときに、自ら当事者となるのか、代理なのか、媒介なのかの別を示さなければならないという義務のこと(法34条)。
宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするときは、自己が契約の当事者となつて当該売買若しくは交換を成立させるか、代理人として当該売買、交換若しくは貸借を成立させるか、又は媒介して当該売買、交換若しくは貸借を成立させるかの別を明示しなければならない。
取引態様の別
・示すのは次の3つの区別です。
| 取引態様 | 内容 |
| 自ら当事者となる | 業者自身が売主・買主になる(売買・交換) |
| 代理 | 当事者の代理人として契約を成立させる |
| 媒介 | 当事者の間に立って契約をあっせんする |
【補足】自ら当事者となるのは売買と交換だけです。自ら貸主となる行為は宅建業にあたらないため、取引態様としても出てきません。

明示が必要な2つの場面
・法34条は1項と2項で、2つの場面を定めています。
| 場面 | 義務 | 時期 |
| 広告をするとき | 取引態様の別を明示する | 広告のたび |
| 注文を受けたとき | 注文者に取引態様の別を明らかにする | 遅滞なく |
明示の方法
・法律は方法を限定していません。
| 項目 | 内容 |
| 方法 | 書面でなくてよく、口頭でも足りる |
| 回数 | 数回に分けて広告するときはそのすべてに明示 |
| 媒体 | 新聞・チラシ・インターネットなどすべての広告 |
【補足】同じ物件について繰り返し広告する場合でも、1回目だけ明示すれば足りるということにはなりません。
違反したときの処分
・取引態様の明示を怠っても罰則はありませんが、監督処分の対象になります。
| 項目 | 取引態様の明示 | 誇大広告等の禁止 |
| 監督処分 | 指示・業務停止 | 指示・業務停止 |
| 罰則 | なし | あり(6か月以下の拘禁刑等) |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 広告をするときは、取引態様の別を明示しなければならない。 |
| イ | 広告で明示していれば、注文を受けたときの明示はいらない。 |
| ウ | 取引態様の明示は、書面で行わなければならない。 |
| エ | 同じ物件を何回も広告するときは、毎回明示する。 |
| オ | 取引態様の明示に違反すると、罰金が科される。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | × | ○ | × |
ア ○ 正しい
・正しい。広告をするときは取引態様の別を明示します(法34条1項)。
・自ら当事者となるのか、代理なのか、媒介なのかの区別を示します。
・売買・交換だけでなく貸借の広告でも必要です。
イ × 誤り
・誤り。正しくは、注文を受けたときにも遅滞なく明らかにしなければなりません(法34条2項)。
・広告を見ずに問い合わせてきた人にも、立場を知らせる必要があるためです。
・「広告と注文の2回必要」と数えて覚えると迷いません。
ウ × 誤り
・誤り。正しくは、口頭でも足ります。法律は方法を限定していません。
・35条の重要事項の説明のように書面が要求される場面と混同しないようにしましょう。
・方法は自由でも、明示すること自体は省略できません。
エ ○ 正しい
・正しい。数回に分けて広告するときは、そのすべてに明示が必要です。
・広告ごとに新しい読み手がいるため、1回目だけでは足りません。
・「2回目以降は省略できる」という選択肢は誤りです。
オ × 誤り
・誤り。正しくは、取引態様の明示に罰則はありません。
・指示処分や業務停止処分といった監督処分の対象にはなります。
・罰則があるのは誇大広告等の禁止のほうです。混同しやすいので区別しましょう。
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