出題の重要度 ★★★
「誇大広告等の禁止」をわかりやすく解説

誇大広告等の禁止とは?
・誇大広告等の禁止とは、宅建業者が業務に関して広告をするとき、著しく事実に相違する表示や、実際よりも著しく優良・有利であると誤認させる表示をしてはならないという規制のこと(法32条)。
宅地建物取引業者は、その業務に関して広告をするときは、(中略)著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
対象となる事項
・条文が挙げているのは次の事項です。
| 対象となる事項 |
| ・宅地建物の所在・規模・形質 |
| ・現在又は将来の利用の制限 |
| ・環境、交通その他の利便 |
| ・代金・借賃等の対価の額やその支払方法 |
| ・代金や交換差金に関する金銭の貸借のあっせん |
【補足】「将来の利用の制限」も入っています。将来の環境や利便についても、確定していないことを断定的に表示すれば違反になり得ます。

誰も誤認しなくても違反になる
・条文は「表示をしてはならない」と定めているだけで、結果を要件にしていません。
| 状況 | 違反になるか |
| 誤認した人が誰もいなかった | 違反になる |
| 契約が成立しなかった | 違反になる |
| 損害が発生していない | 違反になる |
| 広告をすぐ取り消した | 違反になる |
おとり広告も違反になる
・実際には存在しない物件や、取引する意思のない物件について広告をすること(おとり広告)も、誇大広告等の禁止に違反します。
| 例 | 扱い |
| すでに売却済みの物件を掲載し続ける | 違反 |
| 実際には売る気のない好条件の物件を載せて客を集める | 違反 |
| 架空の物件を掲載する | 違反 |
【補足】おとり広告は、広告そのものが物件の存在について「著しく事実に相違する表示」にあたるため違反となります。
違反したときの処分
・誇大広告等の禁止に違反すると、監督処分に加えて罰則の対象にもなります。
| 種類 | 内容 |
| 監督処分 | 指示処分・業務停止処分(情状が特に重ければ免許取消し) |
| 罰則 | 6か月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、又はこれを併科 |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 誤認した人がいなければ、誇大広告にはあたらない。 |
| イ | 広告のうち、交通の利便についての表示も規制の対象になる。 |
| ウ | 売る意思のない物件を広告に載せても、違反にはならない。 |
| エ | 誇大広告をした業者は、業務停止を命じられることがある。 |
| オ | 誇大広告等の禁止に違反しても、罰則はない。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | ○ | × | ○ | × |
ア × 誤り
・誤り。正しくは、誤認する人がいなくても違反になります(法32条)。
・条文は「表示をしてはならない」と定めるだけで、結果の発生を要件にしていないためです。
・「損害が出ていない」「契約が成立しなかった」も同じ理由で言い訳になりません。
イ ○ 正しい
・正しい。交通その他の利便は、条文が挙げる対象事項の一つです(法32条)。
・所在・規模・形質、利用の制限、環境、代金や支払方法なども対象です。
・「価格だけが対象」といった限定は誤りになります。
ウ × 誤り
・誤り。正しくは、いわゆるおとり広告として違反になります。
・取引する意思のない物件の広告は、物件の存在について著しく事実に相違する表示だからです。
・売却済みの物件を載せ続けることも同じく違反です。
エ ○ 正しい
・正しい。誇大広告等の禁止に違反すると業務停止処分の対象になります(法65条2項2号)。
・情状が特に重いときは免許取消しまで進むことがあります。
・監督処分と罰則は別で、両方が科されることもあります。
オ × 誤り
・誤り。正しくは、6か月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象です(法81条1号)。
・併科されることもあります。広告規制の中で罰則があるのはここだけです。
・広告開始時期の制限や取引態様の明示には罰則がありません。
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