出題の重要度 ★★★
「低廉な空家等の売買の特例」をわかりやすく解説

低廉な空家等の売買の特例とは?
・低廉な空家等の売買の特例とは、代金が800万円以下の宅地・建物の売買・交換の媒介について、通常の上限を超えて報酬を受け取れるという決まりのこと。
・報酬額を定めた国土交通大臣の告示(昭和45年建設省告示第1552号)の第七・第八に置かれています。
【補足】この特例は令和6年7月1日から今の形になりました。それ以前は「400万円以下・18万円まで・売主からのみ」という内容でしたので、古い教材の数字と混同しないようにしてください。
対象になる「低廉な空家等」
・対象になるかどうかは、金額だけで決まります。
| 項目 | 内容 |
| 金額 | 売買の代金額、交換のときは価額が800万円以下であること |
| 消費税 | 代金額は消費税等相当額を含まない金額(税抜き)で判定します |
| 交換で差があるとき | 交換する宅地・建物の価額に差があるときは高いほうの価額で判定します |
| 使用の状態 | 問いません。現に人が住んでいる家でも、800万円以下なら対象になります |

媒介と代理の上限額
・特例を使うと、依頼者から受け取れる報酬の上限は次のようになります。
| 区分 | 上限 |
| 媒介 | 30万円の1.1倍(33万円)を超えてはならない |
| 代理 | 上の計算で出した金額の2倍(66万円)以内 |
・たとえば代金500万円の宅地を媒介した場合、原則の計算では「500万円×3%+6万円=21万円」、消費税を上乗せして23万1000円が上限です。特例を使えば33万円まで受け取れます。
【補足】代理で相手方からも報酬を受けるときは、両方から受け取る合計額が66万円を超えてはいけません。原則の代理と同じ考え方です。
あらかじめ説明して合意する
・特例を使うには、媒介契約・代理契約を結ぶときに、あらかじめ依頼者に報酬額を説明し、合意しておく必要があります。
・国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」に明記されている手続です。
・なお、報酬を受け取れる相手は依頼者であり、売主に限られません。買主から媒介を依頼されている場合も、買主から特例の額まで受け取れます。
貸借の特例との違い
・空家等の特例には、売買・交換のものと貸借のものがあります。混同しないよう整理しておきましょう。
| 特例 | 対象 | 上限 |
| 低廉な空家等(売買・交換) | 代金800万円以下 | 媒介33万円/代理はその2倍 |
| 長期の空家等(貸借) | 長期間使われていない宅地・建物 | 借賃1か月分の2.2倍まで |
【補足】貸借の特例は、借主から受け取る額が通常どおり(1.1倍、居住用で承諾がなければ0.55倍)以内であることが条件です。借主の負担は増やさず、貸主から多めに受け取れるしくみになっています。
・くわしくは報酬に関する制限(売買・交換)と報酬に関する制限(貸借)もあわせて確認してください。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 低廉な空家等とは、代金が800万円以下の宅地・建物をいう。 |
| イ | 実際に空き家でなければ、この特例は使えない。 |
| ウ | 媒介で受け取れる上限は、33万円である。 |
| エ | 代理の上限は、媒介の上限と同じ33万円である。 |
| オ | 依頼者への説明や合意がなくても、この特例は使える。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | × |
ア ○ 正しい
・・そのとおりです。売買の代金額(交換のときは価額)が800万円以下であれば低廉な空家等にあたります。
・金額は税抜きで判定します。交換する物件の価額に差があるときは、高いほうの価額で判定します。
・令和6年7月1日より前は「400万円以下」でした。古い数字と入れ替えて出題されることがあります。
イ × 誤り
・・誤りです。低廉な空家等にあたるかどうかは金額だけで決まり、使用の状態は問いません。
・現に人が住んでいる家でも、代金が800万円以下であれば特例の対象になります。
・「空家等」という名前に引きずられて「空き家でなければならない」と判断させる、典型的なひっかけです。
ウ ○ 正しい
・・そのとおりです。特例を使うときの上限は30万円の1.1倍にあたる33万円です。
・原則の計算で出した額を超えて受け取れますが、この33万円を超えることはできません。
・30万円が本体、それに消費税を上乗せして33万円、という組み立てを押さえておきましょう。
エ × 誤り
・・誤りです。代理の上限は、特例で計算した金額の2倍、つまり66万円以内です。
・売買・交換の代理は媒介の2倍まで、という原則がそのまま特例にも当てはまります。
・相手方からも報酬を受けるときは、合計額が66万円を超えてはいけない点も原則どおりです。
オ × 誤り
・・誤りです。媒介契約・代理契約を結ぶときに、あらかじめ依頼者に報酬額を説明し、合意しておく必要があります。
・通常より高い報酬になるため、契約後のトラブルを防ぐ趣旨で求められている手続です。
・「あとから説明すればよい」「合意は不要」とする選択肢は誤りだと判断できるようにしましょう。
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