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「時効(民法)」とは?わかりやすく解説

「時効(民法)」とは?わかりやすく解説

出題の重要度 ★★★

「時効」をわかりやすく解説

時効とは?

時効とは、一定の期間が経過することによって権利を取得し、又は権利が消滅する制度のこと。

種類 内容
取得時効 一定期間占有を続けることで権利を取得する(民法第162条・第163条)
消滅時効 一定期間権利を行使しないことで権利が消滅する(民法第166条)

 

カエルさん
カエルさん
・長く続いた事実状態を尊重し、権利関係を安定させるための制度です。「権利の上に眠る者は保護しない」とも説明されます。

「時効(民法)」とは?わかりやすく解説の要点

取得時効

・所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の物を20年占有すれば所有権を取得します。占有の開始の時に善意無過失であれば10年に短縮されます。

・くわしくは「取得時効」とは?わかりやすく解説をご覧ください。

消滅時効

・債権は知った時から5年行使できる時から10年のいずれか早いほうで消滅します。所有権は消滅時効にかかりません

・くわしくは「消滅時効」とは?わかりやすく解説をご覧ください。

完成猶予と更新

完成猶予はその間だけ時効が完成しない効果、更新はそれまでの経過がゼロに戻る効果です。催告は完成猶予だけ承認は更新です。

時効の完成猶予と更新の違いを示した図

・くわしくは「時効の完成猶予と更新」とは?わかりやすく解説をご覧ください。

援用と時効の利益の放棄

・時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができません(民法第145条)。

第百四十五条(時効の援用) 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。

・時効の利益は、あらかじめ放棄することができません(民法第146条)。

カエルさん
カエルさん
・あらかじめ放棄できるとすると、お金を貸すときに「時効は主張しません」と約束させることが常態化してしまうためです。禁じられているのは「あらかじめ」放棄することです。

・時効の効力は、その起算日にさかのぼります(民法第144条)。

【補足】消滅時効を援用できる「当事者」には、債務者本人のほか保証人・物上保証人・第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者が含まれます(民法第145条かっこ書)。

練習問題

・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。

記号 記述
他人の土地を20年占有すると、所有権を取得できることがある。
最初から他人の土地と知らず過失もなければ、10年で取得できる。
債権は、権利を行使できると知った時から5年で消滅する。
時効は、当事者が援用しなくても裁判所が認めてくれる。
時効の利益は、あらかじめ放棄することができる。

 

練習問題の解説

・解答は次のとおりです。

× ×

 

ア ○ 正しい

所有の意思をもって、平穏かつ公然と他人の物を20年間占有した者は、その所有権を取得します。
・長く続いた事実状態を尊重して権利関係を安定させる制度です。何十年も前の権利関係を今さら証明しろと言われても困る、という現実への配慮でもあります。
・「所有の意思」が必要なので、借りて住んでいるだけの賃借人は、何年たっても所有権を時効取得できません。ここが引っかけになります。

イ ○ 正しい

占有の開始の時善意でかつ過失がなかったときは、10年で取得時効が完成します。
・自分の物だと信じたのも無理はない、という人はより短い期間で保護してよい、という趣旨です。落ち度の有無で期間が倍違ってきます。
・判断の基準時は占有開始時だけ。途中で他人の物だと気づいても10年のままで、20年に伸びたりはしません。

ウ ○ 正しい

・債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないと、時効によって消滅します。
・改正前は原則10年でしたが、現行法は「知った時から5年」と「権利を行使することができる時から10年」の2本立てに整理されました。
・2つのうち先に到来したほうで消滅します。「知った時から10年」「行使できる時から5年」のように数字を入れ替えた選択肢に注意してください。

エ × 誤り

・時効は当事者が援用しなければ、裁判所はこれによって裁判をすることができません。自動的に認められるわけではありません。
・時効で利益を受けることを潔しとしない人もいます。時効を使うかどうかを本人の意思にゆだねる趣旨で、援用が必要とされています。
・消滅時効を援用できる「当事者」には、債務者本人のほか保証人・物上保証人・第三取得者など、権利の消滅について正当な利益を有する者も含まれます。

オ × 誤り

・時効の利益はあらかじめ放棄することができません。できる、が誤りです。
・認めてしまうと、お金を貸すときに「時効は主張しません」と一筆入れさせることが常態化し、制度が骨抜きになるからです。立場の弱い債務者を守るための規定です。
・禁じられているのは「あらかじめ」の放棄だけ。時効が完成したに放棄することは可能です。ここが引っかけの定番です。

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