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「時効の完成猶予と更新(民法)」とは?わかりやすく解説

「時効の完成猶予と更新(民法)」とは?わかりやすく解説

出題の重要度 ★★★

「時効の完成猶予と更新」をわかりやすく解説

カエルさん
カエルさん
・改正で「中断・停止」から呼び名が変わったところです。催告と承認の違いが頻出です。

「時効の完成猶予と更新」とは?わかりやすく解説の要点

完成猶予と更新とは?

・時効の期間が進んでいる途中で一定の出来事があると、時効の進み方が変わります。その効果が完成猶予更新です。

完成猶予 更新
意味 その間は時効が完成しない それまでの経過がリセットされ、新たに進行を始める
経過した期間 そのまま残る ゼロに戻る

 

カエルさん
カエルさん
・2020年施行の改正前は「停止」「中断」と呼ばれていました。現在は完成猶予更新という用語を使います。

完成猶予だけが生じる事由

・次の事由は、時効の完成を先送りするだけで、経過した期間はリセットされません。

事由 効果 条文
仮差押え・仮処分 終了した時から6か月を経過するまで完成猶予 149条
催告 6か月を経過するまで完成猶予 150条
協議を行う旨の書面による合意 合意から1年、定めた協議期間、拒絶通知から6か月のいずれか早い時まで完成猶予 151条

 

【補足】催告によって完成が猶予されている間に再度の催告をしても、完成猶予の効力は生じません(民法150条2項)。催告を繰り返して時効を引き延ばすことはできません。

時効の完成猶予と更新の図解

完成猶予のあとに更新が生じる事由

・裁判で決着をつけようとする手続は、まず完成猶予が生じ、権利が確定すると更新に進みます。

事由 効果 条文
裁判上の請求・支払督促・和解・調停・破産手続参加など その事由が終了するまで完成猶予。確定判決等で権利が確定したときは、終了の時から更新 147条
強制執行・担保権の実行など その事由が終了するまで完成猶予。終了の時から更新(申立ての取下げ等の場合を除く) 148条

 

カエルさん
カエルさん
・訴えを取り下げるなどして権利が確定しないまま終わったときは更新されず、終了の時から6か月を経過するまでの完成猶予にとどまります(147条1項かっこ書)。

承認はそれだけで更新

権利の承認があったときは、その時から時効が新たに進行を始めます(民法152条1項)。完成猶予を経ず、いきなり更新が生じる点が特徴です。

時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。

・債務の一部を支払う、支払を猶予してほしいと申し入れる、といった行為が承認にあたります。

【補足】承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないことや権限があることを要しません(民法152条2項)。

効力が及ぶ人の範囲

・完成猶予や更新の効力は、原則としてその事由が生じた当事者とその承継人の間だけで生じます(民法153条)。

・たとえば主たる債務者に対して裁判上の請求をしても、それだけで別の債務者との関係まで当然に影響するわけではありません。

カエルさん
カエルさん
催告は完成猶予だけ承認はそれだけで更新。この2つの対比が最も出題されます。

練習問題

・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。

記号 記述
完成猶予があると、それまでの経過はゼロに戻る。
更新があると、時効は新たに進行を始める。
催告をすると、時効はその時から更新される。
権利の承認があると、時効は更新される。
猶予中にもう一度催告すれば、さらに6か月猶予される。

 

練習問題の解説

・解答は次のとおりです。

× × ×

 

ア × 誤り

・ゼロに戻るのは更新のほうです。完成猶予では経過した期間はそのまま残ります。
・完成猶予は「その間は時効が完成しない」という効果にとどまり、猶予が終われば続きから進行します。
・正しくは「完成猶予では経過した期間は消えない」です。旧法の「中断」のイメージで考えると取り違えます。

イ ○ 正しい

・更新があると、時効はその時から新たに進行を始めます(民法147条2項など)。
・それまで積み上がった期間はリセットされ、またゼロから数え直しになります。
・「更新=リセット」「完成猶予=先送り」と対にして覚えると、どちらを問われても迷いません。

ウ × 誤り

・催告は完成猶予の事由であって、更新の効力はありません(民法150条1項)。
・正しくは「催告の時から6か月を経過するまで時効が完成しない」です。
・猶予されている間にもう一度催告しても効力は生じません(同条2項)。催告だけで引き延ばすことはできない点が狙われます。

エ ○ 正しい

・承認があったときは、その時から更新されます(民法152条1項)。
・債務の一部弁済や支払猶予の申入れなど、権利があることを認める行為が承認にあたります。
・承認は完成猶予を経ずにいきなり更新が生じます。催告との違いがそのまま出題されるので対で覚えましょう。

オ × 誤り

・再度の催告に完成猶予の効力はありません(民法150条2項)。
・催告を繰り返すだけで時効をいつまでも先延ばしできるとすると、制度の意味がなくなるためです。
・正しくは「猶予中の再度の催告に効力はない」です。6か月の間に裁判上の請求などをする必要があります。

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