出題の重要度 ★★☆
「委任」をわかりやすく解説

委任とは?
・委任とは、法律行為などの事務を相手に任せる契約です(民法643条)。
・不動産の売却を宅建業者に頼む、といった場面です。たとえば、忙しくて自分で手続できない人が、売買の交渉や契約を専門家に任せる、というのが委任です。
善管注意義務
・受任者は、善良な管理者の注意(善管注意義務)をもって事務を処理します(民法644条)。
・無報酬でもこの注意義務は軽くなりません。
【補足】受け取った金銭や取得した権利は、委任者に引き渡し・移転しなければなりません(民法646条)。

報酬は特約がなければ請求できない
・受任者は、特約がなければ報酬を請求できません(民法648条1項)。
・報酬を受ける場合でも、原則として事務を履行した後に請求します(後払い)。
いつでも解除できる
・委任は、各当事者がいつでも解除できます(民法651条1項)。
・ただし、相手に不利な時期に解除したときなどは、損害を賠償します(やむを得ない事由があるときを除く・同2項)。
委任の終了事由
・委任は、次の事由で終了します(民法653条)。
| 終了事由 | 対象 |
| 死亡 | 委任者・受任者のどちらでも |
| 破産手続開始の決定 | 委任者・受任者のどちらでも |
| 後見開始の審判 | 受任者が受けたとき |
【補足】後見開始で終了するのは受任者が審判を受けたときだけです。委任者が受けても終了しません。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 受任者は、無報酬でも善良な管理者の注意で事務を処理する義務を負う。 |
| イ | 受任者は、特約がなくても当然に報酬を請求できる。 |
| ウ | 委任は、各当事者がいつでも解除できる。 |
| エ | 委任者が後見開始の審判を受けると、委任は終了する。 |
| オ | 委任者・受任者のどちらかが死亡すると、委任は終了する。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | ○ |
ア ○ 正しい
・・受任者は善管注意義務を負います(民法644条)。
・無報酬でもこの義務は軽くなりません。
・受け取った金銭などは委任者に引き渡します。
イ × 誤り
・・受任者は特約がなければ報酬を請求できません(民法648条)。
・委任は原則として無償です。
・報酬を受ける場合も後払いが原則です。
ウ ○ 正しい
・・委任はいつでも解除できます(民法651条)。
・信頼関係で成り立つ契約だからです。
・不利な時期の解除は損害賠償が必要なことがあります。
エ × 誤り
・・後見開始で終了するのは受任者が受けたときだけです(民法653条)。
・委任者が受けても委任は終了しません。
・「委任者が受けると終了」は誤りです。
オ ○ 正しい
・・死亡は委任の終了事由です(民法653条)。
・委任者・受任者のどちらの死亡でも終了します。
・破産手続開始の決定でも終了します。
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