出題の重要度 ★★☆
「連帯債務」をわかりやすく解説

連帯債務とは?
・連帯債務とは、複数の債務者がそれぞれ全額を負う債務です(民法436条)。
・債権者は、連帯債務者の一人に、または全員に、全部でも一部でも請求できます。
一人に生じたことは他に及ぶ?
・原則として、連帯債務者の一人に生じた事由は他の債務者に影響しません(相対的効力・民法441条)。
・例外として、次の4つだけは全員に効力が及びます(絶対的効力)。
| 全員に及ぶもの | 内容 |
| 弁済 | 誰かが払えば全員の債務が消える |
| 相殺 | 反対債権で相殺すれば全員のために消える |
| 更改 | 債務の内容を新しいものに変える |
| 混同 | 債権者の地位と債務者の地位が同じ人に集まる |
【補足】請求・免除・時効の完成・承認などは相対的効力で、その人だけに生じます。改正で免除・時効が相対的効力になった点に注意しましょう。

負担部分と求償
・連帯債務者の間には、内部的な負担部分があります。
・一人が弁済して共同の免責を得たときは、他の債務者に負担部分に応じて求償できます(民法442条)。
求償の前後の通知
・弁済するときは、事前・事後に他の連帯債務者へ通知しないと、求償が制限されることがあります(民法443条)。
・通知を怠って二重に弁済されるようなトラブルを防ぐためです。
【補足】事前の通知を怠ると、他の債務者が持っていた抗弁を対抗されることがあります。
連帯保証との違い
・連帯債務は付従性がありません。各債務者の債務は互いに独立しています。
・そのため、一人の債務が無効・取消しでも、他の債務者の債務は影響を受けません(民法437条)。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 連帯債務では、債権者は一人に全額を請求できる。 |
| イ | 連帯債務者の一人が弁済すると、全員の債務が消滅する。 |
| ウ | 連帯債務者の一人に対する請求は、他の債務者にも当然に効力が及ぶ。 |
| エ | 連帯債務者の一人が全額弁済したら、他の債務者に負担部分を求償できる。 |
| オ | 連帯債務者の一人の債務が取り消されると、他の債務者の債務も無効になる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | ○ | × | ○ | × |
ア ○ 正しい
・・債権者は連帯債務者の一人に全額を請求できます(民法436条)。
・全員に同時でも順次でも請求できます。
・誰かが弁済すれば全員の債務が消えます。
イ ○ 正しい
・・弁済は絶対的効力事由で、全員のために債務が消えます(民法436条など)。
・弁済・相殺・更改・混同が全員に及びます。
・払った人は、他の債務者に負担部分を求償できます。
ウ × 誤り
・・請求は相対的効力で、その人だけに生じます(民法441条)。
・全員に及ぶのは弁済・相殺・更改・混同だけです。
・改正で、請求・免除・時効は相対的効力になりました。
エ ○ 正しい
・・共同の免責を得たときは負担部分に応じて求償できます(民法442条)。
・3人均等なら、全額払った人は他の2人に3分の1ずつ求償できます。
・求償の前後に通知が必要です。
オ × 誤り
・・連帯債務には付従性がなく、他の債務者の債務は影響を受けません(民法437条)。
・各債務は互いに独立しているためです。
・付従性がある連帯保証との違いです。
