出題の重要度 ★★★
「代襲相続」をわかりやすく解説

代襲相続とは
・代襲相続とは、相続人になるはずだった子や兄弟姉妹が相続開始のときにいない場合に、その子が代わって相続人になることです(民法887条2項)。
・たとえば祖父より先に父(子)が亡くなっていると、父の子である孫が父に代わって祖父を相続します。
代襲が起きる3つの原因
・代襲が起きるのは、被相続人より先に、相続人が次のいずれかにあたったときです。
| 原因 | 内容 |
| 死亡 | 相続開始以前に亡くなった |
| 欠格 | 一定の非行で相続権を失った(891条) |
| 廃除 | 被相続人の請求で相続権をはく奪された |
【補足】相続放棄は代襲の原因になりません。放棄した人の子は代襲相続しません。

どこまで代襲するか
・子の系統では、孫も亡くなっていればひ孫へと下へどこまでも代襲します(再代襲)。
| 相続人 | 代襲の範囲 |
| 子 | 孫・ひ孫と続く(何代でも) |
| 兄弟姉妹 | その子(甥・姪)まで一代限り |
・兄弟姉妹の代襲は甥・姪の一代までで止まります。
代襲相続人の相続分
・代襲相続人は、本来の相続人が受けるはずだった相続分をそのまま受け継ぎます(901条)。
・孫が2人いれば、父の相続分をその2人で頭割りします。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 相続人が相続を放棄すると、その子が代襲相続する。 |
| イ | 相続開始前に子が亡くなっていると、その子(孫)が代襲する。 |
| ウ | 兄弟姉妹の代襲は、甥・姪の一代で止まる。 |
| エ | 相続欠格にあたった人の子は、代襲できない。 |
| オ | 代襲相続人は、本来の相続人と同じ相続分を受ける。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | ○ | ○ | × | ○ |
ア × 誤り
・誤り。放棄した人は初めから相続人でなかったものとみなされ(939条)、その子も代襲しません。
・代襲相続の原因になるのは死亡・欠格・廃除の3つで、放棄はここに含まれません。
・「放棄だけは代襲しない」と例外で押さえると、他の3つと区別しやすくなります。
イ ○ 正しい
・正しい。子が相続開始以前に死亡していれば、その子である孫が代襲して相続人になります(887条2項)。
・代襲は「本来の相続人の取り分を下の世代が引き継ぐ」しくみで、孫も死んでいればひ孫へと下に続きます。
・「以前」なので、被相続人と子が同時に死亡した場合も孫が代襲します。
ウ ○ 正しい
・正しい。兄弟姉妹が相続人のときの代襲は甥・姪の一代限りで、その子には及びません(889条2項)。
・子の系統ではひ孫・玄孫まで下に続くのと対照的で、ここが引っかけどころです。
・「兄弟の代襲は一代でストップ」と覚えておきましょう。
エ × 誤り
・誤り。欠格は代襲の原因になり(887条2項)、欠格になった人の子は代襲して相続できます。
・代襲が起きないのは放棄のときだけで、死亡・欠格・廃除では代襲が起こります。
・「悪いことをした本人は外れても、罪のない子までは巻き込まない」と考えると覚えやすいです。
オ ○ 正しい
・正しい。代襲相続人は、被代襲者が受けるはずだった相続分をそのまま引き継ぎます(901条)。
・代襲者が複数いるときは、その相続分を頭数で分け合うことになります。
・孫が2人いれば、親1人分をさらに2等分する、というイメージです。
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