出題の重要度 ★☆☆
「根抵当権」をわかりやすく解説

根抵当権とは?
・根抵当権とは、一定の範囲に属する不特定の債権を、極度額の限度で担保する抵当権です(民法398条の2)。
抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
普通の抵当権との違い
・普通の抵当権は特定の1個の債権を担保し、その債権が弁済で消えると付従性で消滅します。
・これに対して根抵当権は、元本の確定前は個々の債権に付従性・随伴性がなく、債権が返済されたり新たに発生したりして入れ替わっても、担保の枠がそのまま残ります。
・たとえば毎月仕入れと支払を繰り返す取引でも、そのつど抵当権を設定し直す必要がありません。

極度額と被担保債権の範囲
・担保の上限額が極度額です。根抵当権者は、確定した元本と利息・損害金などを、この極度額まで担保として確保できます。
・担保する債権の範囲は無制限ではなく、一定の種類の取引に限定して定める必要があります(民法398条の2第2項)。「〇〇との継続的な売買取引から生じる債権」といった形です。
元本の確定
・ある時点で担保する債権を締め切ることを元本の確定といいます。確定によって、担保される債権がその時点のものに固まります。
【補足】確定すると、以後に新しく生じた債権は担保されなくなり、普通の抵当権に近い扱いになります。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 根抵当権は、一定範囲の不特定の債権を担保する。 |
| イ | 根抵当権は、極度額を超えても優先弁済を受けられる。 |
| ウ | 元本の確定前は、個々の債権を弁済しても根抵当権は消えない。 |
| エ | 根抵当権では、担保する債権の範囲を定めなくてよい。 |
| オ | 元本が確定すると、その後に生じた債権は担保されない。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | ○ |
ア ○ 正しい
・そのとおり。根抵当権は一定の範囲に属する不特定の債権を極度額まで担保します(398条の2)。
・特定の一債権を担保する普通抵当と違い、継続的な取引から生じる債権をまとめて担保できます。
・増減を繰り返す取引に使え、いわば担保の「枠」を設定するイメージです。
イ × 誤り
・極度額が限度です。優先弁済を受けられるのは極度額の範囲までで、これを超える部分は受けられません(398条の2)。
・元本だけでなく利息や損害金も、極度額の枠の中でまとめて担保されます。
・普通抵当の「利息は最後の2年分」(375条)という制限は、根抵当にはない点も対比で押さえましょう。
ウ ○ 正しい
・そのとおり。元本の確定前は個々の債権に付従性がなく、弁済しても枠(根抵当権)は残ります。
・普通抵当なら被担保債権が消えれば抵当権も消えますが、根抵当はここが大きく異なります。
・枠が残るので、その後に新たに生じた債権も引き続き担保されます。
エ × 誤り
・定める必要があります。被担保債権の範囲は、一定の種類の取引などに限定して定めなければなりません(398条の2第2項)。
・「債務者との一切の債権」といった無制限(包括根抵当)は認められていません。
・不特定でよいのはあくまで個々の債権で、範囲そのものは特定が必要です。
オ ○ 正しい
・そのとおり。元本の確定によって担保される債権が締め切られ、以後に生じた債権は担保されません。
・確定後は、その時点の債権を担保する普通の抵当権に近い性質になります。
・確定の前後で付従性の有無が変わる、というのが根抵当の核心です。
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