出題の重要度 ★★★
「意思表示」をわかりやすく解説

意思表示とは?
・意思表示とは、売る・買うといった一定の法律効果を発生させようとする意思を、外部に表す行為のことです。
・「この土地を1,000万円で買います」と伝えるのが意思表示で、これが合わさって契約が成立します。
【補足】意思表示は、①こういう効果がほしいという意思と、②それを言葉などで表す表示からできています。この2つがズレたり、意思がゆがめられたりすると問題になります。
無効と取消しはどう違う?
・意思表示に問題があると、その効果は無効か取消しのどちらかになります。
| 種類 | 意味 |
| 無効 | はじめから効力がない。誰でも主張できる |
| 取消し | 取り消すまでは有効。取り消して初めて効力がなくなる |
・取り消すことができる意思表示は、取り消されるまでは有効です。この違いが、あとで出てくる第三者との関係にも効いてきます。

問題のある意思表示の5パターン
・民法が定める代表的なパターンは次の5つです。
・図のように、効果(無効か取消しか)と第三者が守られるかが、パターンごとに違います。
だまされていない第三者は守られる?
・当事者の間で無効・取消しになっても、事情を知らずに取引に入った第三者は守られることがあります。
・守られる条件は、善意(知らない)だけでよい場合と、善意無過失(知らず、不注意もない)まで必要な場合に分かれます。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 「無効」は、取り消して初めて効力がなくなる。 |
| イ | 「取り消すことができる」意思表示は、取り消すまでは有効だ。 |
| ウ | だまされてした意思表示は、無効になる。 |
| エ | おどされてした意思表示は、取り消すことができる。 |
| オ | 無効や取消しでも、事情を知らない第三者が守られることがある。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | ○ | × | ○ | ○ |
ア × 誤り
・・×。それは「取消し」の説明です。無効ははじめから効力がありません。
・取消しは取り消すまで有効で、無効は最初から効力がない、という違いがあります。
・「無効=はじめから、取消し=取り消して初めて」と対で覚えましょう。
イ ○ 正しい
・・○。取り消すことができる意思表示は、取り消されるまでは有効に効力を持ちます。
・取り消して初めて、はじめにさかのぼって効力がなくなります。
・取り消さないまま放っておけば、有効なまま確定することもあります。
ウ × 誤り
・・×。だまされてした意思表示(詐欺)は「取消し」であって、無効ではありません。
・取り消すまでは有効で、取り消して初めて効力がなくなります。
・詐欺・強迫・錯誤はいずれも取消し、と押さえておきましょう。
エ ○ 正しい
・・○。おどされてした意思表示(強迫)は、取り消すことができます。
・だまされた場合(詐欺)と同じく、無効ではなく取消しです。
・強迫は取消しの中でも被害者が最も強く守られる類型です。
オ ○ 正しい
・・○。虚偽表示や詐欺などでは、事情を知らない第三者が守られます。
・取引の安全のため、当事者の事情を知らずに入ってきた人を保護するのです。
・ただし強迫だけは、第三者が守られません。
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