出題の重要度 ★★☆
「復代理」をわかりやすく解説

復代理とは?
・復代理とは、代理人が自分の名で選んだ人(復代理人)に、本人の代理をしてもらうことをいいます。
・復代理人は、その権限内の行為について本人を代表します(民法106条1項)。代理人の代理人ではなく、本人の代理人である点が大事です。
復代理人を選任できる場合
・代理人はいつでも復代理人を選べるわけではありません。任意代理か法定代理かで条件が変わります。
| 代理の種類 | 復代理人を選任できる場合 | 条文 |
| 任意代理 | 本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるとき | 民法104条 |
| 法定代理 | いつでも自己の責任で選任できる | 民法105条 |
第百四条(任意代理人による復代理人の選任) 委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。

復代理人の地位
・復代理人は、本人及び第三者に対して、その権限の範囲内において代理人と同一の権利を有し、義務を負います(民法106条2項)。
・したがって、復代理人が受け取った物は本人に引き渡すことになります。
【補足】復代理人の権限は、代理人の権限より広くなることはありません。もとの代理権が及ばない行為を復代理人ができるはずがないからです。
代理人の代理権はなくならない
・復代理人を選任しても、代理人の代理権はそのまま残ります。代理人が退くわけではありません。
・そのため、同じ事柄について代理人と復代理人の両方が代理権をもつ状態になります。
法定代理人の責任
・法定代理人がやむを得ない事由があって復代理人を選んだときは、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負います(民法105条後段)。
・逆にいえば、やむを得ない事由がないのに選んだときは、復代理人の行為について全部の責任を負うことになります。
【補足】代理人の代理権が消滅すれば、復代理権も消滅します。復代理権は代理権を土台にしているためです。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 復代理人は、本人の代理人である。 |
| イ | 任意代理人は、本人の許諾がなくても、いつでも復代理人を選べる。 |
| ウ | 法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任できる。 |
| エ | 復代理人を選任すると、代理人の代理権は消滅する。 |
| オ | 復代理人は、代理人より広い権限をもつことがある。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | × |
ア ○ 正しい
・・本人を代表します(民法106条1項)。復代理人は代理人の代理人ではなく、本人の代理人です。
・そのため、復代理人がした契約の効果は、代理人ではなく本人に直接生じます。
・「代理人の代理人である」という記述は誤りです。ここは言葉のひっかけとしてよく出ます。
イ × 誤り
・・正しくは本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときだけ選べます(民法104条)。「いつでも」ではありません。
・任意代理人は本人が信頼して選んだ人なので、勝手に他人へ任せることは認められないからです。
・「いつでも自己の責任で」選べるのは法定代理人のほうです。任意代理と法定代理を入れ替えたひっかけに注意しましょう。
ウ ○ 正しい
・・いつでも自己の責任で選任できます(民法105条前段)。本人の許諾はいりません。
・法定代理人は自分の意思で就任したわけではなく、辞めることも簡単ではないため、選任しやすくしてあります。
・やむを得ない事由があるときは、選任・監督についての責任だけを負う形に軽くなります。
エ × 誤り
・・正しくは代理人の代理権はそのまま残ります。復代理人を選んでも代理人が退くわけではありません。
・そのため、同じ事柄について代理人と復代理人の両方が代理権をもつ状態になります。
・逆に、代理人の代理権が消滅すれば復代理権も消滅します。向きが逆になっている点に注意しましょう。
オ × 誤り
・・正しくは代理人の権限を超えることはありません。復代理権は代理権を土台にして生まれるものだからです。
・復代理人は、その権限の範囲内で代理人と同一の権利義務をもちます(民法106条2項)。「範囲内で」という限定が付いています。
・もとの代理人ができない行為を復代理人ができるはずがない、と考えれば覚えやすくなります。
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