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「代理権の消滅(民法)」とは?わかりやすく解説

「代理権の消滅(民法)」とは?わかりやすく解説

出題の重要度 ★★☆

「代理権の消滅」をわかりやすく解説

カエルさん
カエルさん
・どんな出来事があれば代理権がなくなるのか、という話です。任意代理と法定代理で結論が分かれるところが問われます。

「代理権の消滅」とは?わかりやすく解説の要点

代理権の消滅とは?

代理権の消滅とは、いったん与えられた代理権がなくなることをいいます。

・代理権が消滅した後にした行為は無権代理になり、原則として本人には効果が生じません。

カエルさん
カエルさん
・どの出来事で代理権が消えるのかを、任意代理法定代理に分けて覚えるのがコツです。

共通の消滅事由

・民法111条1項は、代理権に共通の消滅事由として次のものを挙げています。

第百十一条(代理権の消滅事由) 代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
一 本人の死亡
二 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。

【補足】本人については死亡だけが挙げられており、代理人については死亡・破産・後見開始の3つが挙げられています。本人と代理人で並びが違うところが狙われます。

代理権の消滅の図解

任意代理だけの消滅事由

・任意代理(委任による代理)では、上のほかに委任の終了によっても代理権が消滅します(民法111条2項)。

・委任は、委任者又は受任者の破産手続開始の決定によって終了します(民法653条2号)。そのため、任意代理では本人が破産すると代理権が消滅します

事由 任意代理 法定代理
本人の死亡 消滅する 消滅する
本人の破産手続開始の決定 消滅する 消滅しない
本人が後見開始の審判を受けたこと 消滅しない 消滅しない
代理人の死亡 消滅する 消滅する
代理人の破産手続開始の決定 消滅する 消滅する
代理人が後見開始の審判を受けたこと 消滅する 消滅する

 

まちがえやすいところ

本人が後見開始の審判を受けても、代理権は消滅しません。後見開始が消滅事由になるのは代理人が受けたときだけです。

・また、任意代理では本人・代理人のどちらからでもいつでも委任を解除できます(民法651条1項)。解除により委任が終われば代理権も消滅します。

カエルさん
カエルさん
・「本人が後見開始の審判を受けたので代理権が消滅した」という記述は誤りです。誰が受けたのかを必ず確かめましょう。

消滅した後に代理行為がされたら

・代理権が消滅した後にされた行為は無権代理ですが、相手方が代理権の消滅を知らず、知らないことに過失もなかったときは、代理権消滅後の表見代理として本人が責任を負うことがあります(民法112条)。

【補足】本人としては、代理権が消滅したら委任状を回収するなどして、相手方に分かるようにしておく必要がある、ということです。

練習問題

・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。

記号 記述
本人が死亡すると、代理権は消滅する。
代理人が破産手続開始の決定を受けても、代理権は消滅しない。
任意代理では、本人が破産すると代理権が消滅する。
本人が後見開始の審判を受けると、代理権は消滅する。
委任による代理では、本人はいつでも委任を解除できる。

 

練習問題の解説

・解答は次のとおりです。

× ×

 

ア ○ 正しい

・・消滅します(民法111条1項1号)。任意代理でも法定代理でも同じ結論になります。
・代理は本人のためにする制度なので、本人がいなくなれば代理権を残しておく意味がないからです。
・代理人が死亡した場合も同じく消滅します。死亡はどちらの側でも消滅事由になると覚えましょう。

イ × 誤り

・・正しくは消滅します(民法111条1項2号)。代理人の破産は明文で消滅事由とされています。
・財産の管理を任せられない状態になった人に、代理を続けさせるわけにいかないからです。
・本人の破産と混同しないようにしましょう。本人の破産で消滅するのは任意代理だけです。

ウ ○ 正しい

・・消滅します。任意代理は委任の終了によっても消滅し(民法111条2項)、委任は当事者の破産で終了するからです(民法653条2号)。
・法定代理は法律の規定で発生する代理なので、本人が破産しても消滅しません。
・「本人の破産」は任意代理と法定代理で結論が分かれる、いちばん問われやすい事由です。

エ × 誤り

・・正しくは消滅しません。後見開始の審判が消滅事由になるのは、代理人が受けたときだけです(民法111条1項2号)。
・本人については、条文が消滅事由として挙げているのは死亡だけです。
・「本人が」と「代理人が」を入れ替えるひっかけです。主語を必ず確認しましょう。

オ ○ 正しい

・・いつでも解除できます(民法651条1項)。解除によって委任が終われば、代理権も消滅します。
・委任は当事者の信頼を土台にした契約なので、信頼が失われたら続ける意味がないからです。
・ただし相手方に不利な時期に解除したときは、原則として損害を賠償する必要があります。

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