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「表見代理(民法)」とは?わかりやすく解説

「表見代理(民法)」とは?わかりやすく解説

出題の重要度 ★★★

「表見代理」をわかりやすく解説

カエルさん
カエルさん
・代理権がないのに本人が責任を負う場面です。3つの類型善意無過失が問われます。

「表見代理」とは?わかりやすく解説の要点

表見代理とは?

表見代理とは、代理権がないのにあるかのような外観があるとき、その外観を信じた相手方を保護して本人に責任を負わせる制度のこと。

・本来は無権代理として本人に効力が生じないはずですが、外観をつくった本人に落ち度がある場合には、本人に責任を負わせるほうが公平だと考えられています。

カエルさん
カエルさん
・「本人にも責任がある外観」+「相手方が信じたことに落ち度がない」。この2つがそろったときに成立する、と考えると整理しやすくなります。

【補足】表見代理は民法109条・110条・112条の3か条に分かれています。どれも代理の規定の中に置かれています。

代理権授与の表示による表見代理

・第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内でその他人がした行為について責任を負います(民法109条1項)。

第百九条 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

・実際には代理権を与えていなくても、「この人に任せてあります」と伝えていれば責任を負う、ということです。

カエルさん
カエルさん
・自社の名前や印章を貸したような場合が典型です。表示をした本人が悪いので、信じた相手方が守られます。

表見代理の図解

権限外の行為の表見代理

代理人がその権限外の行為をした場合において、相手方に代理権があると信ずべき正当な理由があるときは、本人が責任を負います(民法110条)。

項目 内容
前提 何らかの代理権(基本代理権)があること。まったくの無権限では成立しません
要件 相手方に権限があると信ずべき正当な理由があること
正当な理由 実印や委任状を持っていたなど、信じてもやむを得ない事情があること

 

カエルさん
カエルさん
・「借入れの代理権しか与えていないのに、土地を売ってしまった」という場面です。与えた権限をはみ出したときの話だと押さえてください。

【補足】109条・112条についても、それぞれ範囲外の行為がされた場合の規定が第2項に置かれています(109条2項・112条2項)。

代理権消滅後の表見代理

代理権が消滅した後に、その代理権の範囲内で他人が行為をしたときは、代理権の消滅の事実を知らなかった相手方に対して本人が責任を負います(民法112条1項)。

・ただし、相手方が過失によって消滅の事実を知らなかったときは、本人は責任を負いません。

類型 外観のもと 条文
代理権授与の表示 代理権を与えたと伝えていた 109条
権限外の行為 代理権はあるが範囲を超えた 110条
代理権消滅後 以前は代理権があった 112条

 

【補足】いずれの類型でも、相手方が善意無過失であることが必要です。代理権がないと知っていた場合や、不注意で知らなかった場合には保護されません。

相手方は無権代理人の責任も選べる

・表見代理が成立する場合でも、その行為が無権代理であること自体は変わりません

・そのため相手方は、本人に対して表見代理を主張することも、無権代理人に対して履行や損害賠償の責任を追及することもできます(判例)。

カエルさん
カエルさん
・本人に請求するか、無権代理人に請求するかを相手方が選べるということです。「表見代理が成立するなら無権代理人の責任は追及できない」という選択肢は誤りです。

【補足】反対に、本人の側から「表見代理が成立するのだから無権代理人の責任は問えないはずだ」と主張することはできません。表見代理は相手方を守るための制度だからです。

練習問題

・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。

記号 記述
表見代理が成立すると、本人が責任を負う。
相手方に過失があっても、表見代理は成立する。
代理権が消えた後の行為でも、表見代理になることがある。
権限外の行為には、表見代理の規定はない。
表見代理が成立するなら、無権代理人の責任は追及できない。

 

練習問題の解説

・解答は次のとおりです。

× × ×

 

ア ○ 正しい

・・そのとおりです。表見代理は、代理権がなくても本人に責任を負わせる制度です。
・代理権があるような外観をつくったことに本人の落ち度があるため、その外観を信じた相手方を守る趣旨です。
・成立すれば、本人と相手方の間に契約の効果が生じます。無権代理として片づけられないことになります。

イ × 誤り

・・誤りです。相手方が代理権のないことを知っていたときや、過失によって知らなかったときは成立しません。
・不注意な相手方まで保護してしまうと、本人にとって酷になるためです。
・相手方が善意無過失であることが必要だ、とまとめて覚えておきましょう。

ウ ○ 正しい

・・そのとおりです。代理権消滅後の表見代理として、民法112条1項に定められています。
・以前は本当に代理権があったのですから、相手方がまだ続いていると信じるのも無理はない、という考え方です。
・相手方が消滅の事実を知らず、知らないことに過失がなかった場合に限られます。

エ × 誤り

・・誤りです。権限外の行為の表見代理として、民法110条に定められています。
・代理人が与えられた権限をはみ出した場合に、相手方に正当な理由があれば本人が責任を負います。
・この類型は、何らかの代理権があることが前提です。まったくの無権限では110条は使えません。

オ × 誤り

・・誤りです。表見代理が成立しても無権代理であること自体は変わらず、相手方は無権代理人の責任を追及できます(判例)。
・表見代理は相手方を保護するための制度なので、相手方が選べるほうが趣旨に合うからです。
・本人に請求するか無権代理人に請求するかは相手方が選べる、と覚えておきましょう。

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