出題の重要度 ★★★
「登録の移転」をわかりやすく解説

登録の移転とは?
・登録の移転とは、登録をしている知事の管轄外にある事務所の業務に従事するときに、登録先の知事を変える手続のこと(宅地建物取引業法19条の2)。
第十八条第一項の登録を受けている者は、当該登録をしている都道府県知事の管轄する都道府県以外の都道府県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事し、又は従事しようとするときは、当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事に対し、当該登録をしている都道府県知事を経由して、登録の移転の申請をすることができる。
できるのはどんなときか
・基準になるのは勤務する事務所の場所であって、本人の住所ではありません。
| 場面 | 登録の移転 |
| 他県の事務所に従事し、又は従事しようとするとき | できる |
| 住所だけを他県に移したとき | できない |
| 同じ県内の別の事務所に移ったとき | できない(登録先が変わらない) |
【補足】条文は「従事し、又は従事しようとするとき」なので、実際に働き始める前でも申請できます。

申請の経路
・申請先は移転先の知事ですが、現に登録をしている知事を経由して申請します。
| 項目 | 内容 |
| 申請先 | 移転先(事務所のある都道府県)の知事 |
| 経路 | 現に登録をしている知事を経由する |
| 直接申請 | できない |
移転できない場合
・事務禁止処分を受け、その禁止の期間が満了していないときは申請できません(法19条の2ただし書)。
【補足】処分をした知事の管轄から抜け出して処分の効果を免れることを防ぐためです。期間が満了すれば申請できるようになるので、永久にできなくなるわけではありません。
移転後の宅地建物取引士証
・登録の移転があると、従前の宅地建物取引士証は効力を失います(法22条の2第4項)。
| 項目 | 内容 |
| 従前の取引士証 | 効力を失う |
| 新しい取引士証の有効期間 | 従前の取引士証の残りの期間(5年に戻らない) |
| 交付前の講習 | 不要 |
【補足】移転の申請とともに交付の申請をすれば、移転後の知事が残存期間を有効期間とする取引士証を交付します(法22条の2第5項)。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 宅建士は、他県の事務所で働くとき登録の移転をしなければならない。 |
| イ | 住所を他県に移したら、登録の移転を申請できる。 |
| ウ | 登録の移転は、移転先の知事に直接申請する。 |
| エ | 事務禁止処分の期間中は、登録の移転を申請できない。 |
| オ | 登録の移転をすると、取引士証の有効期間は5年になる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | × | × | ○ | × |
ア × 誤り
・正しくは申請することができるという任意の手続で、義務ではありません(法19条の2)。
・移転しなくても、今の知事の登録のまま他県の事務所で働くことができます。
・「しなければならない」と書かれていたら誤りです。語尾で判断できる問題です。
イ × 誤り
・正しくは、基準は勤務する事務所の所在地であって住所ではありません(法19条の2)。
・住所の変更は「変更の登録」の話で、登録先の知事は変わりません。
・「住所」と「事務所」の言い換えは定番の引っかけです。どちらが基準か確認しましょう。
ウ × 誤り
・正しくは、現に登録をしている知事を経由して移転先の知事に申請します(法19条の2)。
・今の知事が保管している登録の内容を引き継ぐ必要があるためです。
・営業保証金の供託先など、他の手続と経路を混同しないようにしましょう。
エ ○ 正しい
・禁止の期間が満了していないときは申請できません(法19条の2ただし書)。
・処分をした知事の管轄から抜けて処分の効果を逃れることを防ぐためです。
・期間が満了すれば申請できます。「二度とできない」わけではない点に注意しましょう。
オ × 誤り
・正しくは従前の取引士証の残りの期間が有効期間になります(法22条の2第5項)。
・従前の取引士証は効力を失いますが、期間が振り出しに戻るわけではありません。
・このとき交付前の講習も不要です。「5年に戻る」「講習が必要」はどちらも誤りです。
この記事の内容に誤りや分かりにくい点を見つけられましたら、こちらのフォームからお知らせください。該当記事は自動で入力されます。
