「津波防災地域づくりに関する法律」をわかりやすく解説
津波防災地域づくりに関する法律とは?
・津波防災地域づくりに関する法律とは、津波の被害を防止・軽減するため、津波防護施設を保全し、危険な区域を指定して周知する法律のこと。
・津波防災地域づくりに関する法律第一条では、津波防災地域づくりに関する法律の目的について、以下のように規定されています。
この法律は、津波による災害を防止し、又は軽減する効果が高く、将来にわたって安心して暮らすことのできる安全な地域の整備、利用及び保全(以下「津波防災地域づくり」という。)を総合的に推進することにより、津波による災害から国民の生命、身体及び財産の保護を図るため、国土交通大臣による基本指針の策定、市町村による推進計画の作成、推進計画区域における特別の措置及び一団地の津波防災拠点市街地形成施設に関する都市計画に関する事項について定めるとともに、津波防護施設の管理、津波災害警戒区域における警戒避難体制の整備並びに津波災害特別警戒区域における一定の開発行為及び建築物の建築等の制限に関する措置等について定め、もって公共の福祉の確保及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。
・津波防災地域づくりに関する法律では、津波防護施設区域、津波防護施設津波災害警戒区域、津波災害特別警戒区域が指定されます。
津波防護施設管理者
・津波防護施設の管理者とは、津波防護施設を管理する者をいい、都道府県知事または市町村長が行います。
・津波防護施設の新設、改良などは、都道府県知事が行います。
津波防護施設区域の指定
・津波防護施設区域は、津波防護施設を保全するための場所です。
・津波防護施設区域は、津波防護施設管理者が指定します。
・津波防護施設区域は、津波防護施設の敷地と施設に隣接する土地で指定することができます。
津波防護施設区域での規制
・津波防護施設区域内の土地を占用する者は、津波防護施設管理者の許可を受ける必要があります。
・津波防護施設管理者は、占用の許可を与えた者から占用料を徴収することができます。
津波災害警戒区域・津波災害特別警戒区域
・都道府県知事は、津波があった場合に想定される浸水の区域及び水深(津波浸水想定)を設定します。
・津波災害警戒区域は、津波浸水想定を踏まえ、津波が起きたときに住民などの命に危険が生じると予測され、警戒態勢を取るべき場所で指定されます。
・津波災害特別警戒区域は、津波浸水想定を踏まえて津波災害警戒区域の中でも、特に津波被害に警戒すべき場所で指定されます。
・津波災害警戒区域と津波災害特別警戒区域は、どちらも都道府県知事が指定します。
・宅建業者は、取引する不動産が津波災害警戒区域または津波災害特別警戒区域に指定されている場合は、指定されている旨を重要事項の説明で説明する義務があります。