「標準地の正常な価格」をわかりやすく解説
標準地の正常な価格とは?
・標準地の正常な価格とは、自由な取引が行なわれると仮定した場合、一般的に成立すると考えられる価格のこと。
・標準地の正常な価格は、公示されて一般の取引の指標や不動産鑑定評価などの規準となります。
・地価公示法第二条では、標準地の正常な価格は以下のように定義されています。
「正常な価格」とは、土地について、自由な取引が行なわれるとした場合におけるその取引(農地、採草放牧地又は森林の取引(農地、採草放牧地及び森林以外のものとするための取引を除く。)を除く。)において通常成立すると認められる価格(当該土地に建物その他の定着物がある場合又は当該土地に関して地上権その他当該土地の使用若しくは収益を制限する権利が存する場合には、これらの定着物又は権利が存しないものとして通常成立すると認められる価格)をいう。
・農地、採草放牧地、森林をそのまま取引する場合は、標準地の正常な価格に含みません。
標準地の正常な価格
標準地の鑑定評価
・土地鑑定委員会は、標準地の正常な価格を求めるため、毎年2人以上の不動産鑑定士に標準地の鑑定評価を行わせます。
・標準地の正常な価格とは、建物等の定着物や土地の使用収益を制限する権利がない、更地としての価格をいいます。
・更地としての標準地の正常な価格は、具体的に以下のように考えて求めます。
- 土地の上に建物等が建っている場合には、建物等がないものとする。
- 土地の使用収益を制限する借地権等の権利が付着している場合には、権利がないものとする。
・不動産鑑定士が標準地の鑑定評価を行う際は、以下3つの価格を考慮して求める必要があります。
- 比準価格(近傍類地の取引価格から算定される推定の価格)
- 収益価格(近傍類地の地代等から算定される推定の価格)
- 積算価格(同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額)
・土地鑑定委員会の委員や委員から任命された者は、標準地の選定や標準地の鑑定評価のため、他人の占有する土地に立ち入ることができ、立入る3日前までに占有者に通知しなければなりません。
・標準地の鑑定評価を行った不動産鑑定士は、正当な理由がない限り、知り得た秘密を漏らしてはいけません。
標準地の正常な価格の判定
・土地鑑定委員会は、複数の不動産鑑定士が提出した鑑定評価書に記載されている鑑定評価額に必要な調整を行い、標準地の正常な価格を判定します。
・標準地の正常な価格の判定では、鑑定評価額を単純に平均するのではなく、どの鑑定評価額をどれだけ重視するかを見極めて判定します。
標準地の正常な価格の公示まで
・以下が、標準地の正常な価格が公示されるまでの大まかな流れです。