出題の重要度 ★★★
「共有」をわかりやすく解説

共有とは?
・共有とは、1つの物を複数人で持ち合っている状態です。
・各共有者が持つ割合を持分といい、割合が決まっていなければ相等しいものと推定されます(民法250条)。
持分に応じて使える
・各共有者は、共有物の全部について持分に応じた使用ができます(民法249条1項)。
・自分の持分を超えて使ったときは、他の共有者に対価を償還する義務を負います(同2項)。
【補足】持分が3分の1でも、土地の「3分の1の部分だけ」使えるのではなく、全体を持分の割合で使えます。

保存・管理・変更で必要な同意が違う
・共有物に何かをするとき、行為の重さで必要な同意が変わります。
| 行為 | 内容 | 必要な同意 |
| 保存行為 | 現状を維持する(修理など) | 各共有者が単独で |
| 管理行為 | 利用・改良(短期の賃貸など) | 持分価格の過半数 |
| 変更・処分 | 形や性質を大きく変える・売る | 全員の同意 |
費用は持分に応じて
・各共有者は、持分に応じて管理の費用を負担します(民法253条1項)。
・共有者が1年以内に負担義務を果たさないときは、他の共有者は償金を払ってその持分を取得できます(同2項)。
・たとえば、修繕費を1年以上払わない共有者がいれば、他の共有者がお金を払ってその持分を引き取れます。
【補足】負担を果たさない共有者を、お金を払って追い出せる仕組みです。
いつでも分割を請求できる
・各共有者はいつでも共有物の分割を請求できます(民法256条)。
・ただし、5年を超えない範囲で不分割の契約をすることはできます。
・くわしくは共有物の管理・変更・分割をご覧ください。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 共有者の持分が決まっていないときは、相等しいものと推定される。 |
| イ | 共有者は、持分に応じて共有物の全部を使うことができる。 |
| ウ | 共有物の修理などの保存行為は、各共有者が単独でできる。 |
| エ | 共有物全体を売るには、持分の過半数の同意があればよい。 |
| オ | 共有者は、いつでも共有物の分割を請求できる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | ○ | ○ | × | ○ |
ア ○ 正しい
・・持分は相等しいものと推定されます(民法250条)。
・割合を定めていなければ、みな同じ割合とみなされます。
・共有物の全部を、持分に応じて使えます。
イ ○ 正しい
・・各共有者は全部について持分に応じた使用ができます(民法249条)。
・持分の割合の「部分だけ」使えるのではありません。
・持分を超えて使えば、対価の償還義務を負います。
ウ ○ 正しい
・・保存行為は各共有者が単独でできます。
・現状を維持する行為なので、他の共有者に不利益がないためです。
・管理は過半数、変更・処分は全員の同意が必要です。
エ × 誤り
・・共有物を売る(処分)には全員の同意が必要です。
・過半数で足りるのは管理行為です。
・「単独 → 過半数 → 全員」の区別が問われます。
オ ○ 正しい
・・各共有者はいつでも分割を請求できます(民法256条)。
・ただし5年以内の不分割契約はできます。
・協議が調わなければ裁判所に分割を請求できます。
