出題の重要度 ★★★
「物権変動と対抗要件」をわかりやすく解説

物権変動とは?
・物権変動とは、所有権などの物権が発生・変更・消滅することです。
・売買では、当事者の意思表示だけで所有権が移ります(民法176条)。契約した時点で、登記や引渡しがなくても買主のものになります。
物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。
第三者に主張するには登記が必要
・もっとも、所有権を第三者に主張(対抗)するには、登記が必要です(民法177条)。
・当事者どうしなら登記がなくても所有権を主張できますが、契約に関係ない第三者に対しては、登記がないと「自分のものだ」と言えません。
不動産に関する物権の得喪及び変更は、…その登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

二重譲渡はどうなる?
・売主が同じ土地をBとCに二重に売ったとき、先に登記を備えた方が勝ちます。
・図のように、契約が先だったBでも、Cが先に登記すればCの勝ちです。契約の早さではなく、登記の早さで決まります。
登記がなくても対抗できる相手
・次のような相手には、登記がなくても所有権を主張できます。
- 何の権利もない者(無権利者)
- 不法に占拠しているだけの者(不法占拠者)
- 自由競争の範囲を超えてじゃまをする背信的悪意者
・これらの人は、登記がないことを主張できる正当な立場にないからです。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 所有権は、契約をしただけで買主に移る。 |
| イ | 登記がなくても、第三者に所有権を主張できる。 |
| ウ | 二重に売られたときは、先に契約した方が勝つ。 |
| エ | 二重に売られたときは、先に登記した方が勝つ。 |
| オ | 不法に占拠しているだけの者には、登記がなくても明渡しを求められる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | × | ○ | ○ |
ア ○ 正しい
・・○。物権変動は当事者の意思表示だけで生じます(176条)。
・登記や引渡しがなくても、契約した時点で所有権は買主に移ります。
・「移ること」と「第三者に主張できること」は別問題です。
イ × 誤り
・・×。第三者に対抗するには登記が必要です(177条)。
・当事者どうしなら登記なしで主張できますが、第三者には登記がないと主張できません。
・正しくは「第三者に主張するには登記が必要」です。
ウ × 誤り
・・×。二重譲渡では、先に登記を備えた方が勝ちます。
・契約の早さではなく、登記の早さで所有権を主張できるかが決まります。
・正しくは「先に登記した方が勝つ」です。
エ ○ 正しい
・・○。二重譲渡は、先に登記を備えた方が勝ちます(177条)。
・契約が後のCでも、先に登記すればBに勝てます。
・決め手は契約の順番ではなく登記の順番です。
オ ○ 正しい
・・○。不法占拠者には、登記がなくても所有権を主張できます。
・不法占拠者は、登記がないことを主張できる正当な立場にないからです。
・無権利者や背信的悪意者にも、登記なしで対抗できます。
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