出題の重要度 ★★☆
「相続と登記」をわかりやすく解説

相続と登記の問題とは?
・相続では、遺産分割や遺言によって、法定相続分より多く財産を取得することがあります。
・このとき、法定相続分を超える部分を第三者に主張できるかは、登記を備えているかで決まります(民法899条の2)。
法定相続分までは登記なしで対抗できる
・相続した権利のうち、法定相続分にあたる部分は、登記がなくても第三者に対抗できます。
・法定相続分までは、相続によって当然に自分のものになるからです。
【補足】たとえば法定相続分が2分の1なら、その2分の1については登記なしで主張できます。

相続分を超える部分は登記が必要
・これに対し、法定相続分を超える部分は、登記を備えなければ第三者に対抗できません(民法899条の2第1項)。
・図のように、超えた分については登記の早い者勝ちになります。
相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、…相続分を超える部分については、登記…その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。
まとめ
・相続と登記の関係は、超える部分に登記が要るかどうかで整理できます。
| 部分 | 第三者への対抗 |
| 法定相続分まで | 登記がなくても対抗できる |
| 法定相続分を超える部分 | 登記がなければ対抗できない |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 相続した権利のうち、法定相続分までは登記なしで主張できる。 |
| イ | 法定相続分を超える部分は、登記がないと第三者に対抗できない。 |
| ウ | 遺言で相続した場合は、超える部分でも登記はいらない。 |
| エ | 遺産分割で多く取得しても、登記がなければ超えた分は主張できない。 |
| オ | 相続では、どんな場合も登記なしで全部を主張できる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | ○ | × | ○ | × |
ア ○ 正しい
・・○。法定相続分までは、登記がなくても第三者に対抗できます。
・法定相続分は相続によって当然に自分のものになるからです。
・登記が問題になるのは、これを超える部分です。
イ ○ 正しい
・・○。超える部分は、登記を備えないと第三者に対抗できません(899条の2)。
・超えた分については、登記の早い者勝ちになります。
・2020年施行の現行ルールです。
ウ × 誤り
・・×。遺言による場合も、超える部分には登記が必要です。
・899条の2は、遺産分割か遺言かを問わず適用されます。
・正しくは「遺言でも超える部分は登記が必要」です。
エ ○ 正しい
・・○。遺産分割で法定相続分を超えて取得しても、超えた分は登記が必要です。
・登記を備えなければ、その部分を第三者に対抗できません。
・法定相続分までは登記なしで主張できます。
オ × 誤り
・・×。法定相続分を超える部分は、登記がないと主張できません。
・登記なしで対抗できるのは、法定相続分までの部分だけです。
・正しくは「超える部分は登記が必要」です。
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