出題の重要度 ★★★
「資力確保措置」をわかりやすく解説

資力確保措置とは?
・資力確保措置とは、新築住宅の売主等が、瑕疵担保責任を果たすためのお金をあらかじめ確保しておく措置のこと。
| 方法 | 内容 |
| 住宅販売瑕疵担保保証金の供託 | 引き渡した戸数に応じた額を供託所に供託する |
| 住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結 | 住宅瑕疵担保責任保険法人と保険契約を結ぶ |
誰に義務があるか
・義務を負うのは、自ら売主として新築住宅を売る宅建業者です。
| 場面 | 資力確保措置 |
| 業者が自ら売主となって新築住宅を売る | 必要 |
| 業者が媒介・代理をする | 不要 |
| 買主が宅地建物取引業者 | 不要 |
| 中古住宅を売る | 不要 |
【補足】買主が宅建業者のときに適用されないのは、プロ同士の取引だからです。8種制限と同じ考え方で、売主・買主の両方が業者なら不要になります。

供託による方法
・供託額は基準日前10年間に引き渡した新築住宅の合計戸数に応じて決まります(法11条2項)。
| 項目 | 内容 |
| 供託先 | 主たる事務所の最寄りの供託所 |
| 小規模住宅の特例 | 床面積の合計が55㎡以下の住宅は2戸をもって1戸と数える |
| 有価証券 | 国債証券・地方債証券等でも充てられる |
【補足】面積の基準は法律ではなく施行令6条に「五十五平方メートル」と定められています。
保険による方法
・保険契約は、次の要件を満たすものでなければなりません(法2条7項)。
| 要件 |
| ・保険料を支払うのは宅建業者であること |
| ・保険金額が2,000万円以上であること |
| ・買主が引渡しを受けた時から10年以上有効であること |
| ・国土交通大臣の承認を受けた場合を除き、変更・解除ができないこと |
【補足】業者が保険金を受け取れるのは瑕疵担保責任を履行したときですが、業者が相当の期間を経過しても責任を履行しないときは、買主が直接保険金を請求できます。
基準日と届出
・年に1回、状況を届け出ます。
| 項目 | 内容 |
| 基準日 | 毎年3月31日 |
| 供託・保険の状況 | 基準日から3週間を経過する日までに供託していなければならない |
| 届出先 | 免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事 |
| 怠った場合 | 基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結できない |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 資力確保措置は、供託か保険のどちらかで行う。 |
| イ | 買主が宅建業者でも、資力確保措置は必要である。 |
| ウ | 保険金額は、2,000万円以上でなければならない。 |
| エ | 基準日は、毎年3月31日である。 |
| オ | 床面積55㎡以下の住宅は、3戸をもって1戸と数える。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | ○ | × |
ア ○ 正しい
・正しい。住宅販売瑕疵担保保証金の供託か、保険契約の締結のいずれかによります。
・両方を行う必要はなく、住宅ごとに使い分けることもできます。
・「必ず供託しなければならない」という選択肢は誤りです。
イ × 誤り
・誤り。正しくは、買主が宅建業者なら適用されません。
・プロ同士の取引では買主を保護する必要が小さいためで、8種制限と同じ考え方です。
・売主が業者・買主が一般の人、という組み合わせのときに必要になります。
ウ ○ 正しい
・正しい。住宅販売瑕疵担保責任保険契約の保険金額は2,000万円以上です(法2条7項3号)。
・あわせて、引渡しから10年以上有効であることも要件です。
・「1,000万円以上」と数字をずらした選択肢に注意しましょう。
エ ○ 正しい
・正しい。基準日は毎年3月31日で、年1回です(法11条1項、法3条1項)。
・この基準日から3週間を経過する日までに供託していなければなりません。
・かつては年2回でしたが、現在は3月31日だけです。
オ × 誤り
・誤り。正しくは2戸をもって1戸と数えます(法11条3項、施行令6条)。
・小さい住宅は瑕疵から生じる損害も小さいと考えられるためです。
・「55㎡」「2戸で1戸」の2つの数字はセットで覚えましょう。
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