出題の重要度 ★★★
「住宅瑕疵担保履行法」をわかりやすく解説
住宅瑕疵担保履行法とは?
・住宅瑕疵担保履行法(正式名称:特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)とは、新築住宅の売主等に、瑕疵担保責任を果たすための資力の確保を義務づける法律のこと。
・宅建試験では問45で毎年出題されます。

誰が対象か
| 立場 | 対象 |
| 宅地建物取引業者 | 自ら売主として新築住宅を売買する場合 |
| 建設業者 | 新築住宅の建設工事を請け負う場合 |
・ただし、買主が宅地建物取引業者である場合は適用されません。🔗
【補足】プロ同士の取引では買主を保護する必要性が低いため、対象外とされています。8種制限と同じ考え方です。

資力確保措置の2つの方法
・資力確保措置には、住宅販売瑕疵担保保証金の供託と住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の2つの方法があり、どちらかを選びます。
・くわしくは「資力確保措置」とは?わかりやすく解説をご覧ください。
基準日と届出
・基準日は毎年3月31日で、基準日から3週間を経過する日までに供託をし、免許権者に届け出ます。届出をしないと、基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後は、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結できません。
・くわしくは「基準日と届出」とは?わかりやすく解説をご覧ください。
届出をしなかった場合
・宅地建物取引業法の特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第十三条では、以下のように規定されています。
第十一条第一項の新築住宅を引き渡した宅地建物取引業者は、同項の規定による供託をし、かつ、前条第一項の規定による届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して五十日を経過した日以後においては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結してはならない。
| 項目 | 内容 |
| 制限が始まる時期 | 基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後 |
| 制限の内容 | 新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結できない |
【補足】制限されるのは「自ら売主となる新築住宅の売買契約」です。媒介や代理、中古住宅の取引まで禁止されるわけではありません。
供託額の計算
| 項目 | 内容 |
| 基準 | 基準日前10年間に引き渡した新築住宅の合計戸数に応じて算定 |
| 小規模住宅の特例 | 床面積の合計が55㎡以下の住宅は、2戸をもって1戸と数える |
| 有価証券 | 国債証券・地方債証券等の有価証券をもって充てることができる |
供託所の所在地等の説明
・供託により資力を確保している宅建業者は、買主に対し、売買契約を締結するまでに、供託所の所在地等について書面を交付して説明しなければなりません。
【補足】営業保証金の供託所等の説明が「説明するようにしなければならない」という努力義務であるのに対し、こちらは書面の交付と説明が義務づけられています。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 資力確保措置が必要なのは、業者が自ら売主のときである。 |
| イ | 買主が業者のときも、資力確保措置が必要である。 |
| ウ | 基準日は、毎年3月31日である。 |
| エ | 届出は、基準日から3週間以内に行う。 |
| オ | 届出をしないと、中古住宅の売買もできなくなる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | ○ | × |
ア ○ 正しい
・資力確保措置が必要なのは、業者が自ら売主となって新築住宅を売り、買主が宅建業者でない場合です。
・媒介や代理として関わるだけなら、瑕疵担保責任を負うのは売主なので措置は不要です。
・宅建業法の8種制限と同じく「自ら売主か」が入口の要件、と結びつけて覚えると整理しやすくなります。
イ × 誤り
・買主が宅建業者であるときは対象外で、資力確保措置は必要ありません。
・この制度は住宅を買う一般の人を守るためのもので、プロどうしの取引まで保護する必要がないからです。
・8種制限が「買主が業者なら適用されない」のと同じ考え方です。セットで覚えましょう。
ウ ○ 正しい
・基準日は毎年3月31日の年1回です。この日を基準に、直前10年間に引き渡した新築住宅について供託や保険の状況を確認します。
・かつては3月31日と9月30日の年2回でしたが、現在は年1回に改められています。古い教材の記述に注意しましょう。
・供託先は主たる事務所のもよりの供託所で、営業保証金と同じ考え方です。
エ ○ 正しい
・基準日ごとに、供託と保険契約の状況を、基準日から3週間を経過する日までに届け出ます。
・届出先は供託所ではなく免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)である点に注意しましょう。
・「1か月以内」「50日以内」などの数字に置き換えた出題がよくあります。
オ × 誤り
・締結できなくなるのは自ら売主となる新築住宅の売買契約だけです。中古住宅の売買や、媒介・代理の業務は制限されません。
・制限が始まるのは基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後で、届出を怠ってすぐ止まるわけではありません。
・不足額を供託して免許権者の確認を受ければ、その日以後は再び契約できるようになります。
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