出題の重要度 ★★☆
「強迫」をわかりやすく解説

強迫とは?
・強迫とは、おどされたことによってした意思表示のことです(民法96条1項)。
・「契約しなければどうなるか分かっているな」と迫られてした契約などで、効果は取消しです。
詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
おどされた人は取り消せる
・強迫によって意思表示をした人は、その意思表示を取り消すことができます。
・さらに、だましたのが第三者のときと違い、第三者におどされた場合でも常に取り消せます。
【補足】第三者詐欺は相手の善意悪意で結論が変わりましたが、第三者強迫は相手の事情に関係なく取り消せます。

詐欺とどう違う?(第三者との関係)
・強迫が詐欺と大きく違うのは、第三者との関係です。
・図のように、詐欺の取消しは善意無過失の第三者に対抗できませんが、強迫の取消しは、事情を知らない善意の第三者にも対抗できます。
なぜ強迫のほうが強く守られる?
・詐欺は「うっかり信じてしまった」という被害者側の落ち度がありますが、強迫は被害者に落ち度がありません。
・そのため、第三者を犠牲にしてでも、おどされた本人を守るのです。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | おどされてした契約は、取り消すことができる。 |
| イ | 第三者におどされたときは、取り消せない。 |
| ウ | 強迫による取消しは、善意の第三者にも主張できる。 |
| エ | おどされてした契約は、はじめから無効になる。 |
| オ | 強迫は、詐欺よりも被害者が強く守られる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | ○ |
ア ○ 正しい
・・○。強迫による意思表示は、取り消すことができます(96条1項)。
・詐欺と同じく、無効ではなく取消しです。
・取り消すまでは有効である点は詐欺と共通です。
イ × 誤り
・・×。第三者におどされたときも、常に取り消すことができます。
・相手方が善意でも悪意でも関係なく取り消せる点が、第三者詐欺との違いです。
・正しくは「第三者強迫でも取り消せる」です。
ウ ○ 正しい
・・○。強迫の取消しは、事情を知らない善意の第三者にも対抗できます。
・詐欺と違い、第三者を守る規定(96条3項)が強迫には適用されないからです。
・おどされた本人に落ち度がないため、強く守られるのです。
エ × 誤り
・・×。強迫の効果は「取消し」であって、無効ではありません。
・取り消すまでは有効で、取り消して初めて効力がなくなります。
・正しくは「取り消すことができる」です。
オ ○ 正しい
・・○。強迫の被害者には落ち度がないため、詐欺よりも強く保護されます。
・第三者強迫でも取り消せ、善意の第三者にも取消しを対抗できます。
・「落ち度がない分だけ手厚く守られる」と考えると筋が通ります。
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