出題の重要度 ★☆☆
「贈与」をわかりやすく解説

贈与とは
・贈与は、一方が財産を無償で与える意思を示し、相手が受諾することで成立する契約です(549条)。
・物を渡さなくても、合意だけで成立する諾成契約です。
書面によらない贈与は解除できる
・書面によらない贈与は、各当事者が解除できます(550条)。口約束だけなら、気が変わればやめられるということです。
・反対に、書面による贈与は解除できません。

履行が終わればもう解除できない
・書面によらない贈与でも、履行の終わった部分は解除できません(550条ただし書)。
・すでに引き渡した物について、あとから「やっぱりやめる」とは言えません。
【補足】不動産なら、引渡しか登記のどちらかがあれば履行が終わったものと扱われます。
負担付贈与と死因贈与
・贈与には、次のような特別な形もあります。
| 種類 | 特徴 |
| 負担付贈与 | もらう側も一定の負担をする。双務契約の規定を準用(553条) |
| 死因贈与 | 贈与者の死亡で効力が生じる。遺贈の規定を準用(554条) |
・負担付贈与では、贈与者はその負担の限度で売主と同じ担保責任を負います(551条2項)。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 書面によらない贈与は、各当事者が解除できる。 |
| イ | 書面による贈与も、自由に解除できる。 |
| ウ | 引渡しが終わった部分は、あとから解除できない。 |
| エ | 贈与は、物を引き渡さないと成立しない。 |
| オ | 死因贈与には、遺贈の規定が準用される。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | ○ |
ア ○ 正しい
・正しい。書面によらない贈与は各当事者が解除できます(550条)。
・口約束だけの贈与は軽い気持ちでされがちなので、まだ実行していなければ撤回を認める趣旨です。
・逆に書面にした贈与は、約束を固めたものとして解除できません。
イ × 誤り
・誤り。書面による贈与は解除できません(550条の反対解釈)。正しくは自由には解除できません。
・解除できるのは書面によらない贈与だけです。
・「書面にしたら本気、だから撤回不可」と考えると覚えやすいです。
ウ ○ 正しい
・正しい。履行の終わった部分は、書面によらない贈与でも解除できません(550条ただし書)。
・すでに引き渡した以上、当事者の意思は明確なので、あとから取り戻せないという趣旨です。
・不動産なら引渡しか登記のどちらかが済めば「履行の終了」とされます。
エ × 誤り
・誤り。贈与は当事者の合意だけで成立する諾成契約です(549条)。正しくは引渡しは成立要件ではありません。
・「あげる」「もらう」の意思表示が合致すれば、物を渡す前でも契約は成立します。
・引渡しは成立要件ではなく、解除できるかどうか(550条)に関わるだけです。
オ ○ 正しい
・正しい。死因贈与には、その性質に反しない限り遺贈の規定が準用されます(554条)。
・死因贈与は「贈与者の死亡で効力が生じる贈与」で、遺贈と効果が似ているためです。
・ただし契約である点は単独行為の遺言と異なり、方式まで遺言に合わせる必要はありません。
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