出題の重要度 ★★☆
「心裡留保」をわかりやすく解説

心裡留保とは?
・心裡留保とは、表意者が、真意ではないと自分で知りながらする意思表示のことです(民法93条)。
・売る気がないのに「売る」と言うような場合で、うそをついた本人が悪いといえます。
意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
原則は有効
・心裡留保による意思表示は、原則として有効です。
・真意でないと分かっていながら口に出した本人を守る必要はなく、それを信じた相手方を守るべきだからです。
【補足】「冗談だった」と後から言っても、原則として契約はなかったことにできません。

例外として無効になる場合
・ただし、相手方が真意でないことを知っていた(悪意)か、知ることができた(有過失)ときは、例外として無効になります。
・図のように、守るべき相手方がいない場合には、有効にする理由がなくなるからです。
善意の第三者は守られる
・例外的に無効となる場合でも、その無効は善意の第三者に対抗できません(民法93条2項)。
・うそをついた本人よりも、事情を知らずに取引に入った第三者を守るべきだからです。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 冗談でも「売る」と言えば、原則として有効だ。 |
| イ | 相手が本気でないと知っていても、契約は有効だ。 |
| ウ | 相手が不注意で本気でないと見抜けなかったときも、有効のままだ。 |
| エ | 無効でも、事情を知らない第三者には無効を主張できない。 |
| オ | 心裡留保は、取消しではなく無効の問題だ。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | × | ○ | ○ |
ア ○ 正しい
・・○。真意でなくても、心裡留保による意思表示は原則として有効です。
・本気でないと分かって言った本人より、信じた相手方を守るためです。
・「冗談だった」は原則として通りません。
イ × 誤り
・・×。相手方が真意でないと知っていた(悪意)ときは、無効になります。
・守るべき相手方がいないので、有効にする理由がなくなるからです。
・正しくは「相手が悪意なら無効」です。
ウ × 誤り
・・×。相手方が知ることができた(有過失)ときも、無効になります。
・悪意の場合と同じく、不注意な相手方を守る必要はないからです。
・無効になるのは「相手が悪意または有過失」のときです。
エ ○ 正しい
・・○。心裡留保の無効は、善意の第三者に対抗できません(93条2項)。
・うそをついた本人より、信じて取引に入った第三者を守るためです。
・第三者は「善意」であればよく、無過失までは不要です。
オ ○ 正しい
・・○。例外にあたる場合の効果は「無効」で、取消しではありません。
・詐欺・強迫・錯誤が取消しなのに対し、心裡留保と虚偽表示は無効です。
・効果が無効か取消しかは、類型ごとに整理して覚えましょう。
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