出題の重要度 ★★☆
「被補助人」をわかりやすく解説

被補助人とは?
・被補助人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な人で、家庭裁判所から補助開始の審判を受けた人のことです(民法15条1項・16条)。
・被補助人には補助人が付きます。
| 類型 | 本人の判断能力 |
| 成年被後見人 | 事理を弁識する能力を欠く常況にある |
| 被保佐人 | 事理を弁識する能力が著しく不十分 |
| 被補助人 | 事理を弁識する能力が不十分 |
補助開始の審判
・補助開始の審判は、本人・配偶者・四親等内の親族・検察官などの請求によって行われます。
・ここで大事なのが、本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意が必要だという点です(民法15条2項)。
第十五条第二項 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。
【補足】後見開始や保佐開始の審判には、このような本人の同意は必要ありません。補助は本人にまだ判断能力が残っているため、本人の意思を尊重しているのです。

補助人の同意を要する旨の審判
・補助開始の審判を受けただけでは、まだ行為が制限されません。特定の法律行為をするには補助人の同意を得なければならない旨の審判があってはじめて、その行為が制限されます(民法17条1項)。
・同意が必要とされる行為は、民法13条1項が挙げる行為の一部に限られます(民法17条1項ただし書)。
取り消せる行為
・補助人の同意を得なければならないとされた行為を、同意もこれに代わる許可も得ないでしたときは、取り消すことができます(民法17条4項)。
・それ以外の行為は、被補助人が単独で有効にできます。
【補足】補助人が被補助人の利益を害するおそれがないのに同意しないときは、家庭裁判所が同意に代わる許可を与えることができます(民法17条3項)。
補助人の代理権
・家庭裁判所は、特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることもできます(民法876条の9第1項)。
・したがって補助人は、審判の内容によって同意権だけをもつことも、同意権と代理権の両方をもつこともあります。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 被補助人は、制限行為能力者である。 |
| イ | 本人以外の者の請求で補助開始の審判をするには、本人の同意がいる。 |
| ウ | 被補助人は、補助人の同意がなければどんな契約もできない。 |
| エ | 補助人の同意を要する行為の範囲に、限度はない。 |
| オ | 家庭裁判所は、補助人に代理権を与えることができる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | ○ | × | × | ○ |
ア ○ 正しい
・・制限行為能力者にあたります。補助開始の審判を受け、同意を要する旨の審判もされた行為について、行為能力が制限されます。
・未成年者・成年被後見人・被保佐人と並ぶ4つの類型のひとつです。
・ただし制限されるのは審判で決められた行為だけで、それ以外は単独でできます。
イ ○ 正しい
・・本人の同意が必要です(民法15条2項)。補助開始の審判に特有のルールです。
・被補助人にはまだ判断能力が残っているため、本人の意思を尊重する趣旨です。
・後見開始や保佐開始の審判では本人の同意はいりません。ここが比較の狙い目です。
ウ × 誤り
・・正しくは、同意が必要とされた行為だけが制限されます(民法17条1項)。それ以外は単独でできます。
・補助は3つの類型のなかでいちばん軽い保護で、行為能力を広く残しておく仕組みだからです。
・「どんな契約も」「すべての行為に」と広げてある選択肢は誤りになります。
エ × 誤り
・・正しくは民法13条1項が挙げる行為の一部に限られます(民法17条1項ただし書)。何でも対象にできるわけではありません。
・被保佐人ですら13条1項の行為だけが対象なので、それより軽い補助がそれを超えることはないからです。
・「13条1項の行為の一部」という限定を押さえておきましょう。
オ ○ 正しい
・・代理権を付与する旨の審判ができます(民法876条の9第1項)。特定の法律行為について与えられます。
・補助人がもつ権限は審判の内容で決まり、同意権だけのことも、代理権もあわせもつこともあります。
・成年後見人のようにはじめから広い代理権をもつわけではない、という違いを押さえましょう。
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